働かないおっさんに怒り、会社に愛想つかす30代エンジニア

今回の悩みごと
 大手IT企業で働く30代のエンジニアです。職場に「働かないおっさん」がたくさんいます。あまり仕事をせずアウトプットに乏しい人が、忙しく実務をこなしている若い世代よりも高い給料をもらっているのが理不尽だと感じます。こんな会社は辞めてしまうべきなのか悩んでいます。

 自分はこんなに忙しいのに、あの人は楽そうだなあ――。そんな年上社員の存在に、心当たりがある人は少なくないでしょう。

 人間なら誰しも、「楽をしたい」という思いを持っています。これを、「安楽の欲求」と呼びます。半面、「人の役に立ちたい、やりがいを感じたい」という思い、いわば「充実の欲求」も抱いています。

 安楽の欲求は、無意識のときに高まりやすい性質があります。「何かを考えるのは面倒だ」と思考停止状態になると、誰しもこの欲求に押し流される可能性があります。一方で充実の欲求は、意識や意思を持たなければ出てきません。自分は何をしたいのか、何のために仕事をするのかを考え、行動することでしか満たせないのです。

 相談者が「働かないおっさん」と表現している人が、本当に仕事をしていないのかは分かりません。相談者が把握していないだけで、実際には目立たない形で力を尽くし、会社に貢献しているかもしれません。

 ただ、安楽の欲求から抜け出せずにいる人が存在するのも事実です。この連載の第5回でも触れましたが、日本企業の多くが採用してきた終身雇用制度の中では、従業員のキャリアマネジメントは企業が主導するのが一般的でした。自分自身の働き方ややりがいについて積極的に考える機会がない状況のまま、生活のために何となく働いている。そんな思考停止状態でも仕事を続けてこられたため、危機感が薄らいでいる人がいるのです。年功序列の名残りがあり、成果主義を導入しつつも激しい賃金変動のない日本企業には、決して無視できない問題でしょう。

 この問題から逃れるための方法は、2つしかないのではと私は考えます。1つは、今の環境から離れること。今の会社を辞め、外資系や小規模、比較的新しい企業など、従来の日本の雇用賃金制度に縛られていない環境に身を移す方法です。

 もう1つは、自分が環境を変える側に回ること。従来の環境に対して疑問を持ち、改善していくためのアクションを諦めずに起こし続ける方法です。

他人への不満だけで辞めないで

 私は、辞めることも一つの方法だと考えています。ただ、周囲の人や環境に対する不満だけを並べて辞めることは、あってほしくないと思っています。自分が辞めようと思った理由やきっかけを意識し、今自分が採れる選択肢を考えた上で、最も納得がいく方法として辞めるという結論を出してほしいのです。

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