未経験の大規模改修で星野リゾートの信頼得る 東利恵氏、その4

前回からの続き

新しい星野温泉の象徴となる建築

星野氏は星野温泉旅館の代表取締役社長に就任した後、家業である老舗旅館を変革していった。

 星野さんが代表になってしばらくして、「軽井沢ホテルブレストンコート」の依頼がきました。もともとあった「ホテルニューホシノ」を、ブライダルを中心とした施設に再生する改修プロジェクトでした。彼にとっても初めての大きな投資だったと思いますが、社名を「星野温泉」から「星野リゾート」に変更したように(1995年)、ここで「星野が変わる」ということを見せようとする意気込みを感じました。

東利恵氏が設計した「軽井沢ホテルブレストンコート」の正面外観。既存建物のリノベーションだった(写真:栗原 宏光)

 私にとっても挑戦で、それまではコンクリート打ち放しや木造の住宅ばかりやっていたので、ほとんど初めての規模の仕事でした。またホテルの営業を止めるわけにはいかないので、短期間で営業しながら改装しなければなりません。

 ブライダルの施設にしては、既存の建物は、柱梁が整然と並ぶ四角い空間なので固い。結婚式は憧れの場なのだから、もっと柔らかくしたくて、楕円の平面になるようにしました。構造補強も提案しました。

 ウエディングドレスの白色が映えるように、塗装の色についてもメーカーのセミナーに通ったりして、検討していきました。

「軽井沢ホテルブレストンコート」の1階ラウンジ。既存駆体の四角い間取りの固い印象を和らげようと、楕円形の平面にしている(写真:栗原 宏光)

ここから先は会員(無料・氏名不要)の登録が必要です。