デビュー作で無駄に悩んで吹っ切れた 東 利恵氏、その6

前回からの続き

 些細なことに悩みすぎたところもあります。ある日現場で、基礎の立ち上がりのうえに幅木を付けるかどうかを問われました。全く分からず、くよくよしていました。大学院の同級生だった山家(京子)と吉松(秀樹)の家に泊めてもらい、気分転換して、なぐさめてもらったりしたんです(笑)。

 結局、幅木を付けました。今考えると、全体には大きな影響を与えないところだと思うのですが、1作目なので無駄に悩みました。ただ、すぐに吹っ切れて、その後は、こういうことでは悩まなくなりました。

父から言われた「もう一度」

東氏の初期作品は、すべて父親の東孝光氏と連名で発表してきた。共同設計をするなかで、父親から教わったことも多かったという。

 父からは多くのことを教わりました。失敗談ということで思い出すのは、ある大阪の仕事でのプレゼンテーションの場面。役所の人たちの前で建築計画の説明をするときに、パッと早口で一気に話してしまったら、その場で父から「もう一度」と言われました(笑)。

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