「詰めが甘い」と嘆く上司、ネガティブ目線でツッコミに備える(後編)

前回からの続き

「詰めが甘い」と感じる上司の心情

 筆者のこれまでの経験では上司が部下に対して「詰めが甘い」と感じるケースは三つある。第一のケースは自分に都合の良い面にだけ注目し、悪い面を無視するケースだ。

 部下が提案する企画や問題解決方法が部下にとって都合の良い面だけに偏り、デメリットについては言及されていない。あるいは言及されていても非常に弱い状態である。

図●自分に都合の良い面しか考慮していない例

 自分に都合のよいメリット(顧客を囲い込める)だけを挙げて、デメリット(導入維持コストやサービスの継続利用対策)を考えていない。このような仕事では、上司は詰めが甘いと感じてしまう。

 第二はうまくいかなかった時の対策を考慮していないケースだ。第一のケースにも関連する。部下の考えた計画が順調に進めば問題ないが、何か問題があった場合の考慮や対処策がない状態である。

 例えばあなたの企業で顧客向けのスマートフォンアプリを初めて開発することを決めたとしよう。あなたがITベンダーに仮見積もりを依頼したところ、要件定義に3カ月、開発に8カ月かかると返答があった。さて、これをそのまま上司に報告してよいだろうか。

 自社にとってスマホアプリ開発は初めての経験。ITベンダーが「その期間での開発実績がある」と答えるかもしれないが、何もトラブルなしに進行するとは考えづらい。部下の仕事に責任を持つ立場である上司は、「本当に大丈夫か、トラブルが起きた場合はどうするのか」を常に心配する。上司の疑問に対して部下の配慮が弱く、失敗する可能性を考慮していないと、上司からは「詰めが甘い」との評価を下されてしまう。

 他部署の担当者や上司に作業の時間を割いてもらう必要があるのに、この点を合意していなかったり言質を取っていなかったりする場合にも、上司は詰めが甘いと感じてしまうだろう。これが第三のケースだ。

図●関係者の協力を取り付けていない例

 自分が担当する仕事を進めるために他者に作業してもらったり承認を受けたりする必要があるのに、他者が作業を完遂することをコミットしてくれていない。このような部下に上司は「詰めが甘い以前の問題だよ」と嘆いてしまうのだ。

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