準大手の好調、際立つ

地方大手は「勝ち組」と「負け組」に大きな格差

 日経コンストラクションの決算調査のデータを基に、専門工事会社を除く建設会社を総売上高の規模別に分類し、各社の「稼ぐ力」を比較した。

 分析に用いたのは、総売上高、土木売上高、土木受注高、土木完成工事総利益率、営業利益の5つの指標。総売上高、土木売上高、土木受注高は、事業の成長性を測るため、対前期増減率を用いた。いずれも比率が高いほど事業の成長性が高く、稼ぐ力も強いとされる。土木完成工事総利益率と営業利益率は、いかに効率的に稼いだかを示す指標。比率が高いほど収益力が高く、経営の効率性も高いとされる。

総売上高の伸びは準大手が最大

 経営効率を測る指標には、販管費比率もある。売上高に対する販売費および一般管理費の割合で、いかに効率的に費用を使って稼いだかを示す。売上高が一定なら、比率が低いほど営業利益率は高くなる。

 ただ、販管費には人件費も含むため、一概に販管費比率が低ければいいものでもない。経営者が事業拡大のために従業員を増やすことは珍しくない。建設業界でも同様の理由で従業員を増やしている会社は多い。人材確保を目的に従業員の給与水準を引き上げる会社も増えている。

 日経コンストラクション決算調査でも、多くの建設会社で販管費が増えているが、そうした事情が背景にある。注目すべきは、販管費が増えた割に販管費比率がそれほど上昇していないことだ。

 例えば、準大手では9割の会社で販管費が増えたが、販管費比率が上昇したのは5割だけ(図1)。5割の会社で、販管費の伸び以上に総売上高が増えた。総売上高の対前期増減率の平均は6.3%と、規模別の比較では最も高かった(図2)。

図1 ■ 販管費と販管費比率が増加・上昇した会社の割合
販管費の伸びを売り上げ増で補う
前期に比べて販管費と販管費比率が増加・上昇した会社の割合。対象は2018年3月期決算の会社で、大手4社、準大手10社、中堅20社、地方大手24社
図2 ■ 総売上高の対前期増減率の平均値
準大手と中堅が売り上げを大きく伸ばす
対象は2018年3月期決算の会社で、大手4社、準大手10社、中堅20社、地方大手24社

 中堅と地方大手は、準大手と似た傾向にある。ただ地方大手では、販管費の伸び以上に総売上高が増えた会社が準大手や中堅より少なかった。大手は4社中3社で販管費が増えた一方で、総売上高が減ったため、販管費比率が上昇した。

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